初めて「推しが結婚」した話

今日

目覚めたら雪が積もっていた。

合説があって会場に向かうにも風が強いし、あられが痛い。

イベントは11時から。いつもは休憩挟まず企業の話を聞くけど、今日はどうしてもお腹がすいて、貰ったおにぎりを持って飲食スペースに向かったのが13時。

 

「この先内定貰えるかな」「今日初めて聞いた会社わりと良かったから受けようかな」「ESあと1週間で仕上げないとだ」スーツで駆け巡る初めての経験を生きる最中、もう1つの初体験をした。

 

 

 

 

推しが結婚した

 

 

 

なみだが目に溜まって、「嬉しい」って呟いた(らしい友人談)

 

もちろん嬉しい。

だって、あんなに多忙の生活を送る上で支えてくれる人と出会えたこと、彼のご両親に奥さんと会わせるという彼しかできない親孝行をしてあげたこと、自分で何でもしちゃう彼が「守りたい」「一緒にいたい」と思える女性に出会えたこと…

何をとっても嬉しいに決まってる。

 

 

でもその後の私はずっと泣いていた。

なんで私は泣いたのか、明確な答えは今も分からない。

別に悲しい訳じゃない。

推しには結婚してほしいと思うタイプだし、なんなら女の影が無さすぎてむしろ心配してた。

おにぎりの味もわかったし、その後の合説でも多くの企業と良い出会いをした。祝賀の本を買いたかったけど就活生にチュベローズは…と思ったから代わりにお祝いのケーキも買った。地元の結婚式の祝賀と言えばこれっていうケーキ。

 

 

ただ、帰り道に吹く風の冷たさは感じなかった。

 

もしかしたら…

いつか訪れるかもしれない未来に動じないでいるのが「私の理想のファン像」だったのかもしれない。

環境が変わって今まで自分の中でつくりあげたの彼のイメージ像が崩れるのを恐れてたのかもしれない。

近所のお兄ちゃんが結婚したことがショックで恋心に気づくってやつに近いのかもしれない。

「結婚しなさそう」は「結婚してほしくない」の裏返しなのかもしれない。

 

素直になれない私ならありえることばかりだ。現にこれを書いてる電車の中で私は涙目である。

でも彼はそんな思いを抱くファンに対する対応も完璧だった。ここ最近よくみせる彼の優しさが詰め込まれていた一画面だった。私が好きな「完璧なアイドル」だってことをこんな形で示されるとは。

 

 

結婚報告なのに謝ってほしくなんかない、おかえりにただいまがある家になったんだ、一緒に行った旅行の話聞きたい、メイキングとかで指輪してるの見せてよ、勝地と飲んだ話だけしててよ、ちゃんと奥さんの名前を呼んであげてね、書斎篭もりっぱなしはやめな、写真だけでもいいからウエディング姿になって、

その世界にはない“普通”を少しでもいいから

 

 

 

 

 

シゲさんへ

結婚おめでとう。

彼女いなさそうって言っちゃってごめん。ここまで隠してくれてありがとう。

幸せになってね。幸せにしてあげてね。

 

これからも憧れという名の片思いをさせてください。

 

2024.3.3

カナダと推しと私と

 

カナダに短期留学行ってきました。

 

幼少期から「いつか海外行きたい✧(✪д✪)✧」って思ってたんで念願叶っての初渡航

いや〜、楽しかった!午前中は大学で授業あったけど午後は自由だったし、ホストファミリーもおもしろい人だったし、街中みんなイケメンだし!出会う人みんなケンティーかってくらいお姫様扱いしてくれた…トビラほぼ触ってない

 

何はともあれ楽しかったんですけど、初めての海外だったもんだから渡航前は多少なりとも不安があったんですよね。

その不安材料を少し軽くしてくれたのは我が推し様加藤シゲアキ先生のエッセイ「できることならスティードで」でした。多趣味でフッ軽でどんどん物事を進めていくシゲアキさんの体験談は強気だけど少しビビりな私にまぁ何とかなるだろう!という気にさせてくれました。本当に感謝しかない。カナダに持っていこうか迷ったけど、1ヶ月の推し断ちを決めていたあと重量オーバーになりそうだったので推したちをお留守番させ7月カナダに旅立ったのです。

 

ティードを読んでおいてよかったと思うのは留学開始1週間目のことでした。

料理好きが幸いして私とホストマザーをすぐ仲良くさせてくれたので毎晩一緒に夕食を作ってたんですけど、その日はパンを作りたいと言ったからスーパーに買い物に行ったんです。購入したのは小麦粉とタピオカ粉。パンなのにタピオカ粉?デザートでも作るのかな?と思いながら帰宅→クッキング開始

👩🏻‍🦱(ホストマザー)「あなたはボールに小麦粉とタピオカ粉とパウダーチーズ量って入れて混ぜておいて。私はオーブン予熱しておくから。小麦粉は少しでいいからね。チーズはたっぷりの方が美味しいのよ〜💕」「終わったら卵とオリーブオイル入れて、あと牛乳。あら牛乳足りないわね、明日買わなきゃ…じゃあ水でいいわ!」「もっとよ!もっとチーズ入れて!!あなたを太らせるんだから!!!」

ってなかんじで材料まぜまぜオーブン投入で簡単にパンが完成しました。(ちなみに帰国後3キロ増えたのでホストマザーの目的は果たせてました…1ヶ月3キロって…)

できたてアツアツのチーズパンを1口食べた瞬間"ある文"が脳裏に…

「まずチーズの濃い香りが口に広がる。噛むとほどよい弾力で、例のもちもちの食感が僕を楽しませてくれた。」

そう、パンの正体は加藤シゲアキ著「できることならスティードで」のTrip5「ブラジル→京都」で出てくるポンデケージョだったのです。それに気づいた時私大興奮しちゃって、今までべらべら喋るような子ではなかったのに、

「これってブラジルのパンだよね!?私本読んでこのパン知ったの!作ってみたかったんだけど、タピオカ粉地元で全く見かけないから、今まで作れなくって…ずっと食べてみたかったの!あぁ、その本持ってくればよかった!本当にずっと食べたかったの!ありがとう、今日は最高の1日だよ︎👍🏻」

オタク全開。ひたすら語ってました。本当に感動したんだもん。これがシゲアキさんが食べたやつか〜!!!って。推し断ちしたのに推しを思い出す。改めて推しへの愛情を再確認しましたね。

 

私のポンデケージョのお供はいつもビール!私が相当ポンデケージョを気に入ったことがホストマザーに伝わって、大学からの帰宅後山積みポンデケージョがどーん!とお迎えみたいなことも何度かあったんですけど、食べれないよ〜って言ってもあなたの好きなビールと食べればすぐよ(ウインク)みたいな会話もしばしば。知らない土地でお酒飲んで潰れるの怖いから留学中は禁酒しようと思ってたのに、誘惑に負けて渡航3日目で飲んでしまった私はすっかり童顔のくせにめっちゃビール飲む日本人として地域に知れ渡りました。有岡大貴みたいだね!

私の素性がバレたもんなんで毎晩晩酌。毎回飲んだことのないお酒を用意してくれたホストファミリーが留学最後の週にに用意してくれたのがモヒート。そうモヒート!加藤シゲアキ先生がキューバで飲んだモヒート!人生初モヒート。それはそれは美味しかった…。今じゃお気に入りのお酒のひとつです。今宵も私はモヒートで晩酌することでしょう。

 

 

ここまで思い出をつらつら書き綴りましたけど、何が言いたかったのかというと、知らなかったことを知るのって楽しいよってこと。もちろん無知の状態で踏み込むのはビビるし躊躇するし怖いけど。海外に行ったことはおろか地元すら離れたことがなく、英語も特別上手く話せるわけでもない、今まで平穏な日々を過ごしてきた私にとって、この留学は人生のターニングポイントになる。でもこれまで苦労をすり抜けてきたからこそ出てくる不安。そんな時「人生の中で限界無理まで本気になれる回数は数回。今がその時なんじゃないか。」小説を書き始めた時のことを語る時に彼が必ず言う言葉が私の背中を押してくれました。死に物狂いで留学前に英語学習をしたから、今こうして楽しかった出来事として記憶されているんだなぁと思うと感謝してもしきれない。ありがとうを伝えられるならきっと彼は行動に移した私を褒めてくれそうだけど…

2023年目を背けたくなる事がいっぱい起きて、幸せだった数年前を思い出しながら何もかも無かったことにしたいと思う今、楽しかった幸せだったと思えるのは紛れもなく彼のおかげです。

 

 

来年はいっぱい笑顔でいてくれたらいいな